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iPS細胞を動物再生医療の真ん中にまずは犬から。

動物医療の現在地とその先

伴侶動物としてのイヌやネコは今や子供の数を上回っており、毎年数多くの動物たちが新たに家族に迎えられています。

動物たちの医療の重要性も年々増しており、ペット保険への加入件数も5年でほぼ倍増しています。実際に、人で実用化された先進的な治療法を取り入れる獣医師も増えて来ており、動物における高度医療を担う大学病院や、専門の2次診療施設の診療件数も年々増加している状況です。これを反映して、アニマルヘルスケアの国内市場規模は年平均5%程度ずつ、継続的に増加しています。

動物医療の現在地とその先

こうした状況のなか動物の再生医療も少しずつ進歩してきました。一部の献身的な動物病院の努力により、自らの資金で高度な設備を病院内に整え、研究により培った複雑な細胞培養法を駆使して治療に使える細胞を調製しています(自家調製または院内調製とよばれます)。

しかし、まだまだ課題も少なくありません。例えば、「ドナー動物への負担」が挙げられます。細胞の元となる脂肪を採取するためには、多くの場合提供するドナー動物(病気や怪我をした動物自身(自家)や、健康な動物(他家)の場合もあります)に全身麻酔をかけて手術で採取する必要があり、多大な身体的負担が避けられません。 また、「品質の均一性」にも課題があります。培養方法が病院ごとに少しずつ異なり、ドナー動物の違いも細胞の機能に反映されるため、いつも同じ品質の細胞が得られるとは限らないのです。このため、治療の有効性や安全性について統制された科学的検証を行うことが難しく、しばしば効果が過大または過小評価されてしまいます。 さらに「治療開始までの時間」。一般に自家細胞移植の場合は細胞を調製するのに時間を要し、速やかに治療を開始することが出来ません(他家細胞移植の場合はこの点は避けられます)。 そして最後に、「製造効率の問題」です。自家細胞を院内調製する場合は一つ一つがオーダーメードの医療です。他家細胞の場合でも、一個体から得られる細胞の数には限りがあり、ドナーごとに細胞の品質を揃えるのは簡単ではありません。

動物医療の現在地とその先

VetanicはiPS細胞を用いることでこれらの課題を克服できると考えます。

iPS細胞は一度作れば大量に同じ性質の細胞を得ることが出来、均質で安定した有効性・安全性の再生医療等製品が製造可能です。 iPS細胞を原料とすることで、ドナーが不要となり、動物への身体的な侵襲を避けることが出来ます。 さらに細胞を大量に培養することで製造効率を高めることが可能であり、この様にして出来た製品は超極低温下で保存しておくことができるため、必要なときに迅速に治療開始が可能、すなわち、アクセシブルな再生医療が実現すると考えます。

iPS細胞は全能性の細胞と呼ばれており、様々な細胞への分化誘導が可能です。また、MSCはそれ自体で様々な疾患治療の可能性があるだけでなく、更にその他の細胞へも分化させることが可能と言われています。このような多様な製品開発をドナーに負担を与えずに実現することで、サステナブルな再生医療が実現できると考えます。

Vetanicが目指す再生医療、それは動物たちに優しく、ご家族の方々が使いやすい、アクセシブルでサステナブルな動物再生医療の実現です。

  • 自家細胞移植と他家細胞移植

    自家細胞移植は、患者さま自身の細胞を移植することです。特徴としては、自分の細胞であるため、免疫拒絶のリスクは極めて低く、安全性が高いことが挙げられます。一方で、診察を受けて治療方針が決まってから、患者さまから細胞を採取し一から作るため、治療として利用できるまでに時間がかかります。

    他家細胞移植とは、患者さま以外の他人の細胞を使う再生医療となります。特徴としては、他人の細胞を利用するため、多くの細胞を用意でき安定的な供給が可能なこととコストが安くなることがあります。一方で、免疫拒絶を受けにくい細胞を用いたり、受けにく工夫が必要となります。自家細胞までの応急処置として利用されることもあります。

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